
築古アパート再生で年利10%!地方不動産投資リノベ術
家賃は下がり、金利はじわじわ上がる——そんな逆風のいまでも 築古アパート(築20年以上の古いアパート) をうまく再生すれば、年利10% を狙えます。
鍵は「仕入れ価格の安さ」と「リノベーションによる価値向上」をデータで可視化し、リスクを最小化すること。本記事では物件選定から資金計画、管理・出口まで 8ステップ で丸ごと解説します。読み終えるころには、ご自身で「買う/見送る」を数字で判断できるはずです。
本記事のポイント
低価格の築古アパートをリノベし、地方需要を捉えて家賃を改善。年利10%達成へ物件選定・資金計画・管理術を網羅解説
地方築古アパート投資の魅力と課題

都心との利回りギャップを比較
地域 | 物件価格(1戸あたり) | 表面利回り | 実質利回り* |
---|---|---|---|
都心区分マンション | 2,500万円 | 4.5 % | 3.2 % |
地方築古アパート | 350万円 | 11.0 % | 8.5 % |
*実質利回り=(家賃-経費)÷物件価格
地方は仕入れ価格が圧倒的に低く、高利回りが狙いやすい のが最大の魅力です。一方で、人口減少や空室リスクといった課題もつきまといます。
投資家が覚えておきたいポイント
- 地方でも人口 “微増” エリア(政令市近郊・大学周辺)は安定しやすい
- 家賃相場が下げ止まりつつあるエリアを狙うと下落耐性が高い
築古リスクとリノベによる価値向上
- 設備老朽化 → 水回り・外壁を重点改修すると家賃+3,000円/戸も狙える
- 耐震基準不足 → 1981年以前築の場合は耐震補強済みか要確認
- 空室率上昇 → 共用部照明 LED 化や Wi‑Fi 導入で差別化
年利10%を狙う物件選定ロジック

築年数・立地・戸数のチェックポイント
チェック項目 | 目安 | 評価のポイント |
---|---|---|
築年数 | 25〜35年 | 減価償却が短く節税効果◎ |
立地 | 駅徒歩15分以内 or 主要幹線道路沿い | 通勤・買物動線を確保 |
戸数 | 6〜12戸 | 単独退去の影響を小さく |
価格・需要・修繕費 のバランスを定量評価し、「修繕後利回り>10%」となるかを必ず試算しましょう。
地域賃貸需要を読むデータ指標
- 人口動態:10年間で▲2 %以内なら許容
- 雇用拠点:工業団地・物流センター・大学の通勤圏か
- 空室率:市区町村の平均空室率が15 %未満
TIP
人口が減るエリアでも「大学の新キャンパス開設」「製造業の新工場誘致」などのピンポイント需要があれば勝機あり。地元新聞や行政リリースを要チェック。
低コストリノベーション戦略

高ROI改修ポイント(水回り・外壁など)
改修部位 | 予算目安 | 家賃アップ効果 | ROI(3年) |
---|---|---|---|
キッチン(新品交換) | 25万円 | +2,000円/月 | 32 % |
ユニットバス再生塗装 | 8万円 | +1,000円/月 | 50 % |
外壁塗装(1棟) | 120万円 | +2,500円/戸 | 18 % |
需要が伸びる設備投資に資金を集中 し、クロス全面張替えなど“見映え改善”は DIY でコストを削減するのがコツです。
DIY vs プロ施工 コスト比較
項目 | DIY | プロ施工 |
---|---|---|
材料費 | 安い(ネット購入) | 割高(業者仕入れ) |
工期 | 休日を消費 | 短い |
仕上がり | 技量次第 | 安定 |
保証 | なし | あり |
TIP
フローリング部分貼り替えや照明交換など “やり直しのきく作業” は DIY で十分。水漏れリスクのある配管・防水はプロに任せましょう。
ファイナンスとキャッシュフロー設計

地銀・信金・政策金融の融資条件
金融機関 | 金利 | 融資期間 | 自己資金 |
---|---|---|---|
地方銀行 | 2.0〜2.5 % | 20年 | 20 % |
信用金庫 | 2.3〜2.8 % | 15〜18年 | 10 % |
日本政策金融公庫 | 1.9 % | 15年 | 10 % |
審査では 家賃収入÷返済額(DSCR)1.2倍以上 が目安。修繕積立を考慮したキャッシュフロー計画が評価されます。
表面利回り→実質利回り→IRR計算手順
- 想定家賃×戸数=年間売上
- 年間経費(管理費+固定資産税+修繕費)を差し引き 実質利回り を算出
- 融資返済と売却価格(シナリオ別)を加味し、IRR(内部収益率) を Excel の
=IRR()
関数で計測
運営管理と遠隔サポートの仕組み

地方物件の管理会社選びと費用
管理方式 | 管理料 | 特徴 |
---|---|---|
管理委託 | 家賃の4〜6 % | コスト安、入居付けは自力で要フォロー |
サブリース | 家賃の10〜15 % | 空室保証だが手取り減少 |
交渉術:管理委託+成果報酬型(成約時3万円)を提案すると、客付けインセンティブが働きやすいです。
コスト削減術(IoT・オンライン内見)
- スマートロック:鍵交換ゼロ、空室内見をリモート化
- 自動検針:水道・電気メーターを遠隔監視し誤請求を防止
- 360°VR内見:来店不要で成約率アップ
出口戦略と売却益最大化

リノベ後の保有期間別シミュレーション
保有年数 | 売却価格(▲1 %/年) | 税後IRR |
---|---|---|
3年 | 1,000万円 | 13.4 % |
5年 | 950万円 | 15.1 % |
10年 | 860万円 | 11.0 % |
売却益+家賃収入のトータルで IRR15%超 を狙うなら「5年保有→売却」が黄金ルート。
買取再販・リファイナンスの選択肢
- 買取再販:リノベ完成後に不動産業者へ一括売却しキャピタルゲイン確定
- リファイナンス:価値向上後に低金利ローンへ借換え、月々返済を圧縮し保有継続
リスクヘッジ&注意点

空室・賃料下落シナリオへの備え
- 内装アップグレード:ダークトーン床+スポット照明で見映え強化
- 家賃保証保険:家賃延滞を最大12ヶ月カバー
- 広告戦略:初期費用ゼロ・フリーレント1ヶ月で初動を加速
大規模修繕・災害リスクと保険対策
リスク | 目安費用 | 対策 |
---|---|---|
屋根・防水工事 | 120万円/棟 | 修繕積立を月1万/戸プール |
地震 | — | 火災保険+地震特約 |
台風・豪雨 | — | 外壁コーキング点検を3年ごと実施 |
まとめ&次のステップ

要点のおさらい
- 地方築古アパートは仕入れ価格が安く、家賃改善+リノベ で年利10%が現実的。
- 人口動態・雇用・大学 の3データで賃貸需要を読み解く。
- 高ROI 改修 に絞り、DIYとプロ施工を組み合わせコスト最適化。
- 融資条件 は DSCR1.2倍がカギ。日本政策金融公庫の低金利も要検討。
- IRR15%超 を目指すなら “5年保有→売却” を軸にプランニング。
投資判断チェックリスト
- [ ] 物件価格+改修費で利回り10 %以上になるか
- [ ] 人口減少率▲2 %以内・空室率15 %未満のエリアか
- [ ] 水回り・外壁を中心に高ROI改修を計画したか
- [ ] 金利上昇 1.0 % でもキャッシュフローが黒字か
- [ ] 管理委託契約内容と手数料を交渉したか
- [ ] スマートロックなど IoT で遠隔運用コストを削減したか
- [ ] 売却・リファイナンス両シナリオの IRR を比較したか
- [ ] 火災・地震保険の補償範囲を確認したか
- [ ] 修繕積立を月次で確保しているか
- [ ] 税理士・建築士・管理会社と役割分担を固めたか
- [ ] 各種データ更新を半年ごとに行う仕組みがあるか
- [ ] 家賃保証保険や広告費用を予算に組み込んだか
無料相談・資料ダウンロード案内
- 築古アパート再生ハンドブック(PDF):リノベ事例と費用明細を公開
- オンライン個別相談(30分無料):専門家が物件診断&資金計画をサポート
TIP
まずはポータルサイトで気になる物件を 3 件ピックアップし、本記事のチェックリストで “落とし込み” をしてみましょう。数字で判断できるようになれば、投資はグッとラクになります!