
固定 vs 変動どっちが得?住宅ローン金利シミュレーション完全ガイド
いま住宅ローンを組むあなたは、「固定が安心? 変動が得?」 と迷っていませんか。
実は“選び方しだい”で、総返済額は 数百万円 規模で変わります。
本記事では最新の金利動向にくわえ、上昇シミュレーションの具体的な数字 を交えながら、あなたの家計とライフプランにピッタリの金利タイプを見つけるお手伝いをします。
本記事のポイント
固定・変動のメリット/リスクを金利上昇シミュレーションで数値化し、家計負担と将来計画から最適金利タイプを具体策付きで提示。
固定金利と変動金利の違い

固定金利とは
- 借入から完済まで 金利と返済額がずっと変わらない ローン
- 将来の金利上昇リスクを「保険料」として前払いするイメージ
- 家計管理がラク:長期の教育費や老後資金も計画しやすい
変動金利とは
- 市場金利に合わせて 半年ごと(多くの銀行)の基準金利が見直される
- 当初金利が低いぶん、月々の返済が軽く、繰り上げ返済のスピードを上げやすい
- ただし 金利上昇で返済額が増えるリスク がある
- 5年ルール(返済額見直しは5年ごと)
- 1.25倍ルール(増額は最大1.25倍まで)
というセーフティネットはあるが、元本が減りにくくなる点には注意
TIP
固定金利は「定額スマホプラン」、変動金利は「従量課金プラン」にたとえられます。
使い方(ライフプラン)によってお得さが入れ替わるイメージを持つとわかりやすいです。
シミュレーションで分かる総支払額差

入力条件の決め方
- 借入額:4,000万円
- 期間 :35年(420 か月)
- 変動シナリオ:
- シナリオA … 0.55%→5年後1.5%
- シナリオB … 0.55%→10年後2.0%
- シナリオC … 0.55%→10年後3.0%
- 固定金利:全期間1.80%
TIP
実務では「借入額」「期間」「金利上昇幅」をそろえて比べるだけでOK。
上昇タイミングが違う複数ケースを作るとリスクの幅が見えやすくなります。
ケース別結果比較(概算)
シナリオ | 平均金利 | 月々返済額(目安) | 総返済額 | 固定との差額 |
---|---|---|---|---|
固定1.8% | 1.80% | 約12.8万円 | 約5,394万円 | 0 |
A:5年後1.5% | 1.13% | 約11.0万円→11.9万円 | 約4,945万円 | ▲449万円 |
B:10年後2.0% | 1.28% | 約11.0万円→13.4万円 | 約4,988万円 | ▲406万円 |
C:10年後3.0% | 1.63% | 約11.0万円→15.5万円 | 約5,431万円 | +37万円 |
※計算は元利均等返済・ボーナス返済なしで筆者試算。実際の金利・手数料等で変動します。
結果の読み解き
- 緩やかな上昇(A・B)なら変動が有利
- 急激な上昇(C)では固定とほぼトントン
- 変動を選ぶなら「どこまで上がったら固定より高くなるか」を把握しておくと安心
金利タイプ選定の判断軸

家計・ライフプランとの相性
- 返済負担率(DTI)は 年収の25%以内 が安全圏
- 将来の教育費や車の買い替えなど「大型支出カレンダー」を書き出し、固定費が安定している方が良いか検討
金利上昇耐性セルフチェック
チェック項目 | YES/NO |
---|---|
手取り月収の25%で生活費+住宅ローンが収まる | |
3〜6か月分の生活防衛費を貯蓄済み | |
ボーナスがカットされても返済継続できる | |
返済額が1.25倍になっても家計が赤字にならない |
YESが多いほど変動を選んでもリスク耐性あり。
ミックスローン活用術
- 固定50%+変動50%の組合せで「いいとこ取り」
- 固定部分で最低限の支出をロックし、変動部分で低金利メリットを享受
- 複数本のローン管理が煩雑になる点、手数料が二重になる点に注意
選んだ後のリスクヘッジ

繰り上げ返済・借り換え
- 返済初期は利息比率が高いので、少額でも効果大
- 変動金利で余裕が出た分を “将来の金利上昇保険” として繰り上げ返済へ回す
- 固定→変動へ借り換える際は、残高×0.3~0.5%のコストがかかるケースが多い
固定⇔変動スイッチ戦略
- 変動→固定へは「金利差が0.5%以内」が目安
- 逆に固定→変動は「残り期間が短い」「繰上げ返済を積極的に行う」場合に検討
TIP
借り換えシミュレーションは 複数ネット銀行の無料ツール を同条件で比較しよう。数字で見ると“思わぬコスト差”が早期発見できます。
まとめ&次のアクション

- 変動金利は低コストでスタートできるが、上昇シナリオを超えると固定と逆転
- 固定金利は返済額がブレない安心感が最大のメリット
- 家計のキャッシュフロー表を作り、金利3%時のストレステストを実施しよう
- 迷ったら ミックスローン+繰り上げ返済用の貯蓄口座 をセットで組むと柔軟性◎
- まずはネット銀行の事前審査で金利・諸費用を確認し、比較シートを作成して金融機関へ相談しよう!